『医者は現場でどう考えるか』 HONZ11月12日投稿
ある冬、軍事演習を行っていたハンガリー軍の少尉は偵察隊をアルプス山脈に送り込んだ。その直後降り始めた雪は2日間にわたって止むことはなく、少尉は「彼らを殺してしまったのでは?」という不安に苛まれていた。しかし、3日目に奇跡が起こる。彼らは全員無事に帰ってきたのだ。驚く少尉に調査隊のメンバーがその経緯を話し始めた。
「地図もコンパスもなく自分がどこにいるかも分からなくなり、死ぬのを待つのみという状況だった。ところが、メンバーの1人が滅多に使わないポケットから折りたたまれた地図を発見し、我々は冷静になることができた。その地図は周りの地形と完全に一致はしなかったが、地図を頼りに自らの位置を確かめることで、何とかここまで辿り着けた。」
彼らの命を救ったその地図を見せて貰った少尉は再び驚くことになる。
それはアルプス山脈の地図ではなくピレネー山脈の地図だったのだ。
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