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    課長補佐代理心得 【読書】The Economist June 26th

    表題は魁!!クロマティ高校でお馴染みの野中英次の傑作課長バカ一代の主人公八神和彦の役職である。
    もちろん「代理で補佐って何すんねん!」というギャグである。しかし、そんなギャグのような状態が現実に起こっているようだ。
    三文字役職(CEOやCFO)は日本でもすっかり定着してきたが、今週のShumpeter(Economistのビジネスコラム)は"Too many Chiefs"というタイトルで何故こんなにも役職が氾濫しているのかについて解説している。
    金正日には"ever-victorious general"や"lodestar of the 21st century"等というありがたい公式役職が1200個もついているが、先進国のビジネスシーンにおいても役職のインフレが進行中なのだ。

    インフレの原因は不況だ。お金による報酬を与えられなくなった企業が、役職を報酬として与えているのである。とはいえ、役職だけでは報酬にならないだろう。役職に紐付くサイズの大きなジョブや報酬がなければ役職は名詞を、最近ではSNSのプロフィール欄を華やかにする効果しかない。
    サウスウエスト航空にはCTO(Chief Twitter Officer)がいるし、コカコーラやマイクロソフトにはCBO(Chief Blog Officer)がいるんだってさ。

    「元外資系大手XXXの副社長」という肩書きを良くみかけるが、別に社長の側近、No.2としての役割をやっていた人ではない。Vice Presidentの日本語訳に現在では副社長があてられているのだが、これは適切ではないだろう。マイクロソフトくらいの大企業になるとVice Presidentだけで何千人もいるらしいし。日本語の感覚としてそれって副所長か?
    ビジネスSNS最大手のLinkedInでは、2005年から2009年の間の会員数増加の4倍のスピードでVice Presidentの肩書きが増えたそうだ。

    Economistは役職の乱造の弊害を指摘する。
    賃金の代わりの役職ではモチベーション向上効果は短いだろうし、転職市場の効率を損なってしまう。「多プラットフォームとポートフォリオにおけるビジョン管理者」という役職を与えられても何をやればいいかわからないし、ましてや他人はその人が何をしているかは分からないだろう。
    このような役職のインフレは人の使い捨てと人材価値の低下を招くものである。
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    mrkmhiroshi

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    広島(高校まで)京都(大学・大学院)東京(会社員)
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    職業:マーケティングコンサルタント
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