21世紀型キャリアのつくり方 【書評】35歳までに読むキャリアの教科書 渡邉正裕
採点:★★★☆☆
30歳前後のビジネスマンにおススメ。特に、自分のキャリアが「なんか違うなー」と思っている人は必読
広告収入に頼らないニュースサイトMy news Japanを運営する著者による、グローバル化した現代を生き抜くための「キャリアの教科書」。豊富なインタビューから得られた具体的なケースをもとに、能力×動機が重なるキャリアのつくり方を指南する。
30歳前後のビジネスマンにおススメ。特に、自分のキャリアが「なんか違うなー」と思っている人は必読
広告収入に頼らないニュースサイトMy news Japanを運営する著者による、グローバル化した現代を生き抜くための「キャリアの教科書」。豊富なインタビューから得られた具体的なケースをもとに、能力×動機が重なるキャリアのつくり方を指南する。
![]() | 35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書) (2010/10/07) 渡邉 正裕 商品詳細を見る |
■あらすじ
「なぜ、今キャリアを考える必要があるのか?」という問いから本書は始まる。
人口ボーナスの恩恵を受け、高度経済成長の中猛烈に成長の道を突き進んだ団塊の世代と、低成長が続き少子高齢化した現代を生きる「ポスト戦後」の世代では置かれている環境、目指すべきキャリア像は当然異なる。一流大学に合格して、大企業に入りさえすれば年齢と共に役職・給料が右肩上がりの時代は二度とやってこないし、長期視点で考えれば、そのようなポストがあった戦後世代がむしろ異常なのだ。
エリートに対する「ローリスク・ハイリターン」のポストがなくなった現代において、どうすれば自らの能力を高め、動機に適う職場を得ることができるか、具体的な方策を探る一冊。
■感想
著者のことはやりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!で知り、城繁幸氏との共同セミナーにも参加したことがある。著者からは「具体的に実行する方法を徹底して考える」姿勢を感じる。大きな目標を語ったり、床屋政談をすることは楽しいが、何も生み出さない。
「やりたいこと(動機)」が明確にあるのなら、そのために必要な「能力」を磨かなければならない。動機と能力が重なる職業があればそのポジションを目指せばよいし、なければ作ればよい。広告主に頼らず、政策へ影響を与えるような情報を発信する媒体というものは日本にはないので、著者はMy news Japanを立ち上げた。日経新聞で磨いた取材力、文章構成力に加えて、コンサルティングで磨かれた課題把握能力、ビジネスモデル構築能力は存分に発揮されているようだ。
「能力」の磨き方については安易なビジネス書が書店に山積みになっているが、20歳くらいから自分の能力を大きく変えようと思っても困難だ。究極の鍛錬(拙ブログ)のような鍛錬が出来れば話は別かもしれないが、殆どの人には出来ないだろうし、する必要もない。自らの生まれ持った「能力」とコアな「動機」が重なる人は幸せだろうな。自分の「能力」に関しては、著者くらいシビアな目で見る必要がある。
新卒で入社した会社を8ヶ月で退社した自分には頷く部分が非常に多かった。はっきり言って、学生の時代にはキャリアについて全く考えていなかった。何となく「島耕作見たいになれたら楽しいなー」と思っていた程度だったので、未だに著者の言う「動機」は見つかっていない。同じことをずっとやり続けたり、先が見えすぎると嫌になってしまう自分にとっては、良い時代になってきたのかもしれない。就職活動中の学生は必読。
「なぜ、今キャリアを考える必要があるのか?」という問いから本書は始まる。
人口ボーナスの恩恵を受け、高度経済成長の中猛烈に成長の道を突き進んだ団塊の世代と、低成長が続き少子高齢化した現代を生きる「ポスト戦後」の世代では置かれている環境、目指すべきキャリア像は当然異なる。一流大学に合格して、大企業に入りさえすれば年齢と共に役職・給料が右肩上がりの時代は二度とやってこないし、長期視点で考えれば、そのようなポストがあった戦後世代がむしろ異常なのだ。
エリートに対する「ローリスク・ハイリターン」のポストがなくなった現代において、どうすれば自らの能力を高め、動機に適う職場を得ることができるか、具体的な方策を探る一冊。
■感想
著者のことはやりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!で知り、城繁幸氏との共同セミナーにも参加したことがある。著者からは「具体的に実行する方法を徹底して考える」姿勢を感じる。大きな目標を語ったり、床屋政談をすることは楽しいが、何も生み出さない。
「やりたいこと(動機)」が明確にあるのなら、そのために必要な「能力」を磨かなければならない。動機と能力が重なる職業があればそのポジションを目指せばよいし、なければ作ればよい。広告主に頼らず、政策へ影響を与えるような情報を発信する媒体というものは日本にはないので、著者はMy news Japanを立ち上げた。日経新聞で磨いた取材力、文章構成力に加えて、コンサルティングで磨かれた課題把握能力、ビジネスモデル構築能力は存分に発揮されているようだ。
「能力」の磨き方については安易なビジネス書が書店に山積みになっているが、20歳くらいから自分の能力を大きく変えようと思っても困難だ。究極の鍛錬(拙ブログ)のような鍛錬が出来れば話は別かもしれないが、殆どの人には出来ないだろうし、する必要もない。自らの生まれ持った「能力」とコアな「動機」が重なる人は幸せだろうな。自分の「能力」に関しては、著者くらいシビアな目で見る必要がある。
大学時代の友人を見ても、デキるやつは社会人になっても確実に成果をあげているし(動機の問題から能力はあるのに自らドロップアウトしてしまった人はいる)、普通だった奴は普通にビジネスマンをやっているし、ダメな奴はずっとダメだ。ダメになる人はいても、逆に「ずいぶんと見違えるように育ったな、予想外に化けたな」と思える人など、1人もいない。
我々は、自らの才能に逆らって生きるのは不可能であり、才能は生涯つきまとうもので変えられない、という冷酷な現実を、まず受け入れないといけない。
新卒で入社した会社を8ヶ月で退社した自分には頷く部分が非常に多かった。はっきり言って、学生の時代にはキャリアについて全く考えていなかった。何となく「島耕作見たいになれたら楽しいなー」と思っていた程度だったので、未だに著者の言う「動機」は見つかっていない。同じことをずっとやり続けたり、先が見えすぎると嫌になってしまう自分にとっては、良い時代になってきたのかもしれない。就職活動中の学生は必読。
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