QE2はブラックスワン? 【動画】タレブのインタビュー
強さと脆さを読んで以来、タレブ熱が再燃してブラック・スワンやまぐれを読み返していた。勢いに乗って新刊のThe Bed of Procrustes: Philosophical and Practical Aphorismsも購入したが、これはまだ読みかけ。
タレブの現状が気になって色々と調べていたら面白い動画があったのでご紹介。
2010年11月12日のもののようだ。
FED(日本ではFRBと略される。何で日米で略称が違うんだ??)による2度目の量的緩和や日銀による量的緩和も日本のエコノミスト達の間では肯定的な意見が多いように感じる。マンキューも、ハイパーインフレーションよりも日本のようなデフレによる停滞を恐れるべき、という視点から今回のQE2をポジティブに評価をしているようだ(Mankiw's blog:このブログで紹介されている動画も面白い)。
タレブはその後も舌鋒を緩めることなく批判し続けた。
・バーナンキは金融危機のリスクも見えていなかったのに、何故未だに彼の言うことを聞こうとするのか?
(経済学のエスタブリッシュメントには非線形のリスクは理解できない)
・QE2のリスクを負っているのは誰なのか。リタイア世代の資産をインフレによって目減りさせたり、将来世代に莫大な財政赤字を残してもよいのか?(注:この辺りは英語も含めて理解に自信なし・・・)
・我々が議論すべきはQE2の効果ではなく財政赤字そのものだ。フリーランチなどない。現在の状況はトレーダー時代の私に市場で失ったお金を取り戻す魔法の杖を求めて来た人々を思い出させる。
・これはリスクとシステムの問題であり、リスクの問題はリスキーな方法では解決できやしない。我々はギリシャにも厳しい対応を求めたじゃないか。我々も問題を直視しなければいけない。
タレブが想定している”最悪の状況”は他のエコノミスト達が想定している”最悪の状況”は大きく異なるのかもしれない。
リスクを目いっぱいとってバブルの恩恵を享受し、そして吹っ飛んだんだから、またまたリスクを取って一気に回復しようなんて思うなってことなのかな。
タレブの現状が気になって色々と調べていたら面白い動画があったのでご紹介。
2010年11月12日のもののようだ。
インタビュアー:タレブはブラック・スワンでもLTCM(と彼らに”ノーベル賞”を与えたスゥエーデン銀行)を痛烈に批判している。ちなみに、べき分布の現実を「美しい」ベルカーブに当てはめることの危険性は不透明な時代を見抜く「統計思考力」でも平易に解説されているので、馴染みのない人はこの本から入ると分かり易いかも。
何故バーナンキと論争しているのですか?
タレブ:
俺から見れば、奴らは”リスク”ってものを全く分かっちゃいない。
インタビュアー:
バーナンキと言えばプリンストンでのキャリアもありますし、「インテリ」であり「危機の経済学の専門家」であることを誰もが認めています。バーナンキが”リスク”を理解していないというのはどういうことですか?
タレブ:
2つの理由を挙げよう。
先ず、彼にはこの危機やシステムに潜んでいるリスクが全く見えていない。何故そんなことがいえるのかって?彼は混乱をもたらすハリケーンが見えていないから、飛行機を墜落させただろ。自分の分析のせいでリスクが見えなくなっているんだ。
更に、彼を見てるとLTCM(Wiki)の奴ら、すばらしい学歴を持ったとびっきり優秀な奴らのことを思い出すんだ。その結果は君らも知っている通り。彼らのファンドが吹き飛ぶだけでなくウォール街まで吹き飛ばす寸前だった。FEDはそれを救いはしたけど、FEDはその経験から何も学んじゃいない。
ここまで言えば十分だろう。奴らみたいな”優秀なやつ”はリスクを甘く見る道具を使う病気にかかっているんだ。
ある政策について、それによって得られる利益だけでなく、付随するリスクについても語る人間に対して私は何も文句を言ったりしない。しかし、バーナンキがそうであるとは思えない。あいつはリスクを説明することなしに利益についてだけ語っているんだ。これはスピードの速さを自慢して安全性については何も言わないパイロットと同じじゃないか。あいつの使っている手法、量的緩和、は確かに効果を発揮するかもしれない。ただし、失敗したときのリスクはとんでもないことになる。
FED(日本ではFRBと略される。何で日米で略称が違うんだ??)による2度目の量的緩和や日銀による量的緩和も日本のエコノミスト達の間では肯定的な意見が多いように感じる。マンキューも、ハイパーインフレーションよりも日本のようなデフレによる停滞を恐れるべき、という視点から今回のQE2をポジティブに評価をしているようだ(Mankiw's blog:このブログで紹介されている動画も面白い)。
タレブはその後も舌鋒を緩めることなく批判し続けた。
・バーナンキは金融危機のリスクも見えていなかったのに、何故未だに彼の言うことを聞こうとするのか?
(経済学のエスタブリッシュメントには非線形のリスクは理解できない)
・QE2のリスクを負っているのは誰なのか。リタイア世代の資産をインフレによって目減りさせたり、将来世代に莫大な財政赤字を残してもよいのか?(注:この辺りは英語も含めて理解に自信なし・・・)
・我々が議論すべきはQE2の効果ではなく財政赤字そのものだ。フリーランチなどない。現在の状況はトレーダー時代の私に市場で失ったお金を取り戻す魔法の杖を求めて来た人々を思い出させる。
・これはリスクとシステムの問題であり、リスクの問題はリスキーな方法では解決できやしない。我々はギリシャにも厳しい対応を求めたじゃないか。我々も問題を直視しなければいけない。
タレブが想定している”最悪の状況”は他のエコノミスト達が想定している”最悪の状況”は大きく異なるのかもしれない。
リスクを目いっぱいとってバブルの恩恵を享受し、そして吹っ飛んだんだから、またまたリスクを取って一気に回復しようなんて思うなってことなのかな。
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