『種の起源』のチャールズ・ダーウィン、大陸移動説のアルフレート・ウェゲナー、『銃・病原菌・鉄』のジャレド・ダイアモンド、『知の挑戦』のE・O・ウィルソン。 言わずと知れた、生物学、社会学、人類学において通説を覆した知の巨人たちであるが、その功績の偉大さ以外にも共通点があることをご存知だろうか。彼らはそれぞれの分野で大きな業績を残す前に動植物の地理的分布についての素晴らしい説を提唱しており、みなが『生物地理学の基礎(Foundations of Biogeography: Classic Papers With Commentaries )』という論文集の著者欄にその名前を連ねているのだ。この論文集には彼ら以外にも様々な分野で科学に変革をもたらした人々の名前がずらりと並んでいる。異なる分野で大きな功績を残した偉人が共通して論文を書いているこの「生物地理学」が本書のテーマである。