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    『究極のクロマグロ完全養殖物語』


    究極のクロマグロ完全養殖物語究極のクロマグロ完全養殖物語
    (2011/07/16)
    熊井 英水

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    2011年7月26日、震災以降休止していた築地市場におけるマグロの競り見学会が再開された。震災前140名であった予約枠は120名に縮小されているが、再開初日の参加者は予約枠の半数程度の70名に留まっている。日本政府観光局の推計によると、本年6月の訪日外客数(外国人旅行者数)は昨年同月比で36.0%も減少しているので、この辺りの影響が大きいのかもしれない。観光客の減少はたしかに気になるが、見学されるマグロの減少もかなり深刻だ。本書はマグロの減少を食い止めるべく、マグロの“完全”養殖に挑んだ近畿大学水産研究所(近大水研)の30年以上に及ぶ執念の記録である。

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    『世界をやりなおしても生命は生まれるか?』


    世界をやりなおしても生命は生まれるか?世界をやりなおしても生命は生まれるか?
    (2011/07/01)
    長沼 毅

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    1961年4月12日が何の日かご存知だろうか。この日はソビエトのヴォストーク1号によって人類が初めて宇宙に飛んだ日であり、「世界宇宙飛行の日」として記念日にもなっている。

    「その日」に生まれた著者は、自分が宇宙に行くことを当然と信じて子供の頃から宇宙飛行士を目指すも、敢え無く宇宙飛行士選抜試験に落選してしまう。宇宙飛行士選抜試験の独特の内容は『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)』や『ホリエモンの宇宙論』にも詳しいが、もはや何のための試験だか良く分からない。著者と面接官の毛利衛さんとのやり取りはまるで漫才のようで面白いが、毛利さんの方が一枚上手。著者がもう少しうまい切り返しをしていれば合格していたのかもしれない。そんな能力が宇宙飛行士の何に役立つのかと疑問に感じなくもないが、「2番じゃダメなんですか?」と問われたときに、瞬時に宇宙開発の大切さを語れる瞬発力までもが宇宙飛行士には求められているのだろう。

    宇宙飛行士への夢が破れて茫然自失となったのも束の間、宇宙に行けなくなった著者は代わりに地球を隅々まで調べ尽くすことを決意し、研究範囲は文字通り地球の端から端にまで及ぶ。水深数千メートルの深海に潜ったと思えば、チリのアタカマ砂漠で微生物を追いかけ、寒いのは苦手だと言いながら南極へ跳ぶ。「誕生日」という偶然を信じて宇宙への夢を追い求めた執着心もたいしたものだが、切り替えの大胆さもたいしたものだ。人間はどこから来てどこへ行くのか、生命とは何か、を追い求めたいという根源的な欲求が自分を動かしていることに気がついたからこその切り替えだと自身で説明しているが、著者はこの欲求を「『生命とは何か』とは何か」という問いへと変換する。

    本書は著者が「『生命とは何か』とは何か」について、広島大学附属福山中・高等学校の生徒と対話した結果をまとめたものであるが、相手が高校生だからと言って侮ってはいけない。広島大学付属福山中・高等学校といえば中・四国地方でも有数の進学校であり、広島県出身の私もこの学校を当然知っている。

    本書の対象範囲は著者の研究範囲と同様幅広い。漫画『ワンピース』の「悪魔の実」を食べた「能力者」のような生物はありえるかという話題から生命のカタチについて、L-システムで生命をどのように数式で記述できるかについて、更にはエントロピーと生命の関係やシンギュラリティについて、著者が投げかける問いに高校生たちも必死で喰らいつき、時には著者も驚く問いを投げ返す。さすがは10数年前に私に不合格通知を送りつけてきた学校の生徒たちである。

    「生命とは何か」を考えるためには、先ずどのような生命がいるかを把握しなければならないので、本書にはかなり特異な生命が登場する。例えば太陽光の届かない暗黒の海底火山に生息するチューブワームは我々とは相当に異なる。そもそもエネルギーの取得方法が全く異なっており、彼らはモノを食べない。モノを食べない代わりに共生する微生物から栄養を摂取しているのだが、この微生物も太陽光ではなく火山のエネルギーからでんぷんをつくりだしており、もはや我々との共通点を探し出すことの方が困難だ。こんなものまで生命なのだから、生命の境界線引きはなかなか難しく、また、面白い。

    本書で著者と生徒の対話を追体験することで、宇宙の始まりから終わりまで、さらには海底の微生物から古代のアノマロカリスまで、視点が目いっぱい広がり、ワクワクドキドキしてしまう。森博嗣の『科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)』では科学の楽しさではなく、科学的思考の欠如がもたらす不利益にフォーカスしてその重要性が訴えられている。溢れるほど娯楽がある世の中で、科学の楽しさを主張するだけでは科学に興味を持たせることは難しいという主張は全く納得である。しかし、このような本を読むとついつい科学の楽しさを押し付けたくなってしまう。

    【書評】『困ってるひと』 大野更紗


    困ってるひと困ってるひと
    (2011/06/16)
    大野 更紗

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    読んでいて涙が止まりませんでした。悲しいから、というのではなく、人間の尊さに突き動かされる思いです。(40代・男性)
    壮絶、絶句、涙。潔さ、優しさ、切なさ、面白さ。理不尽・・・・・・。人としての強さ美しさ。凄いパワー。 (30代・女性)
    心の温度、上がります。 (20代・女性)
    僕は一つ世界を知ったという経験を実感しています。 (10代・男性)

    本書の帯には上記のような感動の言葉があふれている。
    「全米が泣いた!」「おすぎが感動した!!」こそないものの、何だか最近のハリウッド映画のCMみたいである。どうせ安っぽいお涙頂戴ものだろと斜に構えたくなってしまうが、読み始めれば直ぐにそんな気持ちは吹き飛ぶ。
    なんせ本書は、世にもストレンジな病気に罹ったエクストリームな難病女子が、人生の大変さとアメイジングさについて綴った、エクセーレントな一冊なのだ。

    著者は本人が「ムーミン谷」と形容するような福島のド田舎から、おフランスに憧れて上智大学入学のために上京し、ビルマ難民の研究に夢中になる。何事にも体当たりで挑戦し、自力で道を切り拓くことで研究者としての道を順調に歩き始めたかに見えた著者を突如原因不明の病が襲う。皮膚がただれ、触れられるだけで激しい痛みが襲う。38℃を超える発熱が続き、全身の関節が動かなくなる。ご飯を食べれば下痢になり、髪の毛が抜け落ちる。
    病気の原因を探り、難病患者を取り巻く理不尽な制度と闘い、やっと見つけたオアシスのような病院を退院するまで目が離せなかった。寝る前に読み始めると、読み終わるまで眠れなくなるので気をつけよう。

    このような本を読み、他人の人生に触れることにはどのような意味があるだろうか。著者も言うように実際に自分が「困ってる人」にならなければ、本当の意味で「困ってる人」の気持ちは分からないだろう。しかし、自分の抱える悩みの小ささに気がつくかも知れないし、勇気の少なさを知り謙虚になれるかもしれない。「困ってる人」の視点から考えようとする想像力が少しは身につくかもしれない。
    昨今、巷で大流行している「絶望」というのは、身体的苦痛のみがもたらすものでは、決してない。
    (中略)
    生きるとは、けっこう苦しいが、まことに奇っ怪で、書くには値するかも、しれない。
    本書は誰にとっても読むに値する。

    【書評】『子どもの頃の思い出は本物か』 カール・サバー著 越智啓太・雨宮有里・丹藤克也訳


    子どもの頃の思い出は本物か―記憶に裏切られるとき子どもの頃の思い出は本物か―記憶に裏切られるとき
    (2011/05)
    カール サバー

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    第6回「本のキュレーター勉強会」改め「東京HONZ」の会 ~ハマザキカクさん、大畠さん登場の巻き~

    月に1度のお楽しみ、三度の飯より本が好きなHONZメンバーが今回も早朝の赤坂で熱い議論を交わしました。
    前半1時間はおススメ本の紹介、後半1時間はいよいよ開設が間近に迫った「HONZ」サイトについての打ち合わせ。わくわくするような企画が進行中なので、本当に楽しみ!!
    各人の紹介本は東さんがブログにまとめて下さっているので、「今月は何読もうかなー」と悩んでいる人は是非活用してください。東さんいつもありがとうございます。

    今回は欠席者無しのフルメンバーに加えて、2人のゲストがいらっしゃいました。
    お1人は成毛さんの出版パートナーでフリーライターの大畠利恵さん。もう1人はハマザキカクこと濱崎誉史朗さん。

    ハマザキさんのことは成毛さんのブログで存じ上げていましたが、ご紹介された本がとにかく面白そうで、アマゾンで直ぐにポチりました。中古でも後4冊しかないので、欲しい人は急ぎましょう。
    日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録日本・欧米間、戦時下の旅―第二次世界大戦下、日本人往来の記録
    (2005/07)
    泉 孝英

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    第二次世界大戦中における、日本と欧米間の日本人往来の記録をまとめた本です。著者は京大のお医者さんですが、ライフワークとして本書を書き上げられたそうです。


    さて、今月の課題本は『ミドリさんとカラクリ屋敷』です。今後はHONZ全員が書評を書くということではなくなりそうですが、何名かは必ず書くと思うので、ご自身の書評・感想と比べてみると面白いのでは!?。土屋さんの書評はSPA!で読めます。

    ミドリさんとカラクリ屋敷ミドリさんとカラクリ屋敷
    (2011/05/26)
    鈴木 遥

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    プロフィール

    mrkmhiroshi

    Author:mrkmhiroshi
    広島(高校まで)京都(大学・大学院)東京(会社員)
    現在は噂の西麻布に住んでます
    成毛眞代表のHONZに参加してます http://honz.jp/
    職業:マーケティングコンサルタント
    趣味:読書、トレーニング、映画

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